入管局とは?役割と在留手続き・相談窓口をわかりやすく解説

- 「入管局」は俗称で、正式名称は2019年発足の出入国在留管理庁(法務省の外局)。
- 前身の入国管理局は法務省の内局で、2019年に庁へ格上げされた。
- 主な業務は出入国審査・在留審査・在留管理・難民認定・不法滞在者の摘発の5本柱。
- 在留資格の申請はオンライン(在留申請オンラインシステム)でも可能。
- 届出を怠ると外国人本人だけでなく雇用主側も罰則の対象になる。
入管局とは?出入国在留管理庁の役割をわかりやすく解説

入管局とは、現在の「出入国在留管理庁」(法務省の外局)の俗称です。
私は行政書士として工場の特定技能採用に8年関わってきましたが、現場では今も「入管」「入管局」と呼ぶ人がほとんどです。正式名称を知らなくても手続きはできますが、書類の宛先や問い合わせ先で迷わないよう、まず組織の輪郭を押さえておきましょう。
入管局(入国管理局)と出入国在留管理庁の違い
両者の違いは「組織の格」です。前身の入国管理局は法務省の内局(省内の一部署)で、1951年の入管法施行以来その立場で機能してきました。
2019年に外局である「出入国在留管理庁」へ再編され、独立した任務を持つ組織になりました。職員数は約6,000人。所在地は東京都千代田区霞ヶ関の法務省本部内です。
外国人雇用で必ず関わる組織
外国人を一人でも雇うなら、入管局とは必ず接点が生まれます。
日本に滞在するすべての外国人は在留資格が必須で、その資格が「何をできるか」「いつまで滞在できるか」を定めています。資格の審査も更新も、入管局の管轄です。
正直なところ、ここを軽く見て採用を進めてしまう中小企業は少なくありません。資格の範囲外の仕事をさせると、雇った側まで責任を問われます。
関連する組織との関係
入管局は単独で動くのではなく、企業向けの支援拠点とも連携しています。
代表的なのが外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)。外国人を雇いたい企業の相談に応じる窓口で、入管局の業務を補う役割を担います。
入管局が担う4つの役割
入管局の役割は、大きく「各種手続き」「生活サポート」「不法滞在者の摘発」「相談窓口」の4つに整理できます。

| 手続き | 内容 |
|---|---|
| 出入国審査手続き | 日本への出入国時の審査 |
| 在留審査手続き | 在留資格の認定・変更・更新など |
| 在留管理制度に関する手続き | 中長期在留者の情報把握 |
| 特別永住者証明書の交付 | 特別永住者向けの証明書交付 |
| 難民認定に関する手続き | 難民の認定決定 |
役割1:出入国審査・在留審査などの各種手続き
入管局の中心業務は、出入国時の審査と在留資格に関する審査です。
特に2012年7月9日から施行された在留管理制度により、中長期間在留する外国人の情報を法務大臣が継続的に把握する仕組みになりました。在留カードの交付もこの制度の一部です。
役割2:在留する外国人の生活サポート
入管局は審査だけでなく、外国人が日本で暮らすための支援も担います。
その拠点が前述のFRESC(外国人在留支援センター)です。企業の受け入れ相談から外国人本人の生活相談まで、複数の機関がワンストップで対応します。
役割3:不法滞在者の摘発
入管局は、不法滞在者の摘発と悪質な仲介業者の排除も担っています。
在留期限が切れたまま日本にいる「オーバーステイ」などが対象です。雇用主が気づかずに不法滞在者を働かせると、雇った側も処罰されます。ここは後の章で詳しく触れます。
役割4:相談窓口の設置
入管局は、手続きで迷う人向けの相談窓口を用意しています。
代表が外国人在留総合インフォメーションセンター。電話番号は0570-013904(IP電話・PHSからは03-5796-7112)で、平日8:30~17:15に対応します。
在留資格ごとの申請手続きと必要書類
在留資格の申請は、資格の種類によって必要書類も流れも変わります。

日本に滞在するすべての外国人は在留資格を持つ必要があり、しかも無期限ではありません。有効期限が切れる前に更新が要ります。ここを忘れると不法残留になりかねないので、私は採用時に必ず期限をカレンダーへ入れてもらっています。
主な在留資格の種類と申請の流れ
在留資格の手続きは、おおむね「認定→入国→更新・変更」という流れで進みます。
海外から呼び寄せる場合は在留資格認定証明書の交付申請から始め、すでに国内にいる人の資格を切り替える場合は在留資格変更許可申請を使います。期限延長なら在留期間更新許可申請です。
技能実習・特定技能など分野別の制度
製造業の採用で特に関わるのが、技能実習と特定技能です。
両者は似て非なる制度で、特定技能は一定の技能・日本語要件を満たせば即戦力として受け入れる枠組みです。私が支援してきた工場でも、技能実習からの移行と海外からの直接採用で必要書類がかなり変わりました。
申請にかかる手数料と標準処理期間
手数料と処理期間は、申請の種類や混雑状況で変わります。
正直に言うと、ここは時期や管轄局によってばらつきが大きく、確定した日数を一律で示すのは難しいのが実情です。具体的な手数料・標準処理期間は、申請窓口ごとに最新情報を確認してください。
オンライン申請と窓口での手続きの進め方

在留関連の申請は、窓口だけでなくオンラインでも可能です。
出入国在留管理庁は在留申請のオンラインシステムを用意していて、来庁の手間を減らせます。ただし誰でも使えるわけではなく、対象者の条件があります。
在留申請オンラインシステムの利用方法と対象者
オンライン申請は、在留資格を有する人など所定の条件すべてに該当する外国人が対象です。
公式情報では、利用できるのは在留資格を有している方など4つの条件すべてに当てはまる場合に限られます。利用前の登録・確認は公式ページで行ってください。
全国の地方出入国在留管理局・支局・出張所の所在地と管轄
窓口は全国に張り巡らされていて、地方出入国在留管理局8局を中心に展開しています。
| 区分 | 数 |
|---|---|
| 地方出入国在留管理局 | 8局 |
| 支局 | 7局 |
| 出張所 | 61か所 |
| 入国管理センター | 2か所 |
どこに行けばいいかは、原則として住所地を管轄する局で決まります。間違えると受け付けてもらえないので、訪問前に管轄を確認しましょう。
窓口の予約方法・受付時間・混雑への備え
窓口は時期によって相当混みます。これは現場の実感です。
在留期限の更新が集中する時期は、朝一番でも待ち時間が長くなります。私はできる限りオンライン申請に切り替え、どうしても来庁が必要なものだけ窓口に回すようにしています。受付時間や予約の要否は管轄局で異なるため、事前確認が安全です。
企業・雇用主が行うべき届出義務と注意点
外国人を雇う企業には、入管局への届出義務があり、怠ると罰則の対象になります。

ここは雇用主が一番見落とす部分です。本人の在留資格だけ確認して安心してしまい、会社側の届出を忘れるケースを何度も見てきました。
所属機関に関する届出のルール
就労資格で雇う外国人については、所属機関(=雇用先)に関する届出が必要です。
雇用の開始・終了などに変動があったとき、定められた期間内に入管局へ届け出ます。在留管理制度は、こうした所属機関の情報を継続的に把握する前提で組まれています。
違反・罰則の具体例と退去強制・出国命令制度
在留資格の範囲を超えた就労や不法滞在は、退去強制につながる重い違反です。
オーバーステイや資格外活動が代表例です。入管局は不法滞在者の摘発を担っており、悪質な場合は退去強制の対象になります。雇った企業も処罰されうるため、資格と業務内容の一致は採用時に必ず確認してください。
申請が不許可になったときの対応と相談先
申請が不許可・不交付になっても、原因を確認して再申請する道は残されています。

一度ダメだと頭が真っ白になる人が多いのですが、落ち着いて理由を聞くのが先決です。
不許可・不交付になった場合の再申請の流れ
不許可になったら、まず不許可理由を窓口で確認し、その点を補強して再申請します。
書類の不足や説明不足が原因のことも多く、そこを埋めれば通る場合があります。感情的に争う前に、何が足りなかったかを冷静に整理することです。
審査請求・不服申立ての手続き
処分に納得できない場合は、審査請求などの不服申立ての手段があります。
ただし、私の経験では再申請で要件を補強するほうが現実的なケースが多いです。不服申立ては時間も労力もかかるため、専門家と相談して進めるのが安全だと考えています。
多言語対応・通訳サービスの利用
言葉の壁が不安なら、入管局の相談窓口は多言語に対応しています。
外国人在留総合インフォメーションセンターは、外国人本人からの問い合わせにも応じます。日本語に不安がある従業員には、この窓口の存在を最初に伝えておくと安心です。
電話・メール・チャットの連絡先と使い方
困ったときの第一報は、電話の相談窓口が早いです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 電話番号 | 0570-013904 |
| IP電話・PHSから | 03-5796-7112 |
| 受付時間 | 平日8:30~17:15 |
行政書士など専門家に相談するメリットと費用感

複雑な在留手続きは、行政書士など専門家に任せると失敗のリスクを下げられます。
私自身が在留資格専門の行政書士なので身びいきに聞こえるかもしれませんが、率直に言います。書類作成だけならご自身でもできます。ただ、特定技能や技能実習からの移行のように要件が入り組む案件は、最初から専門家に入ってもらうほうが結果的に早いことが多いです。
費用は依頼内容や事務所で幅があります。具体的な手数料は事前見積もりで確認し、何を代行してもらえるかを契約前にはっきりさせてください。私なら、初回の認定申請と更新の体制づくりまでをまとめて相談します。
入管局についてよくある質問
最後に、相談現場で実際によく聞かれる質問をまとめます。

よくある質問
在留期限の管理と所属機関の届出。この2つだけは、今日のうちにカレンダーへ書き込んでおいてください。後回しが一番危ないのです。
